2009年05月04日

久々に謝罪


驕りは、忘れた頃にやってくる。

読解問題を解かせていた時のこと。

4月から担当したと言うのに寝姿をすでに3-4回見ている男子学生がいる。

私の場合は、必ず起こすので、今回も起こした。

そこでも彼は寝ていた。

時折起こすもうつらうつらで、普通の子のペースよりも格段に遅い。

読解を全部終了し、回収。

彼は15問中前半にやっていた7問しかできていなかった。

「あなたは休み時間に全部やって提出ね」

その後10分もしないうちに出してきた。

1問2分の目安なので、早い…。

そんなにできるって子でもないし、

さっきまでうつらうつらしていたし、あやしいな。

休み時間に隣の子の解答と合わせてみると、

1問以外全て同じ答え。

前半戦はメモの後が見られるけど、後半戦は答えの番号に○しかない。


見たな。見せたな。

放課後、「二人ともちょっと残ってください」と二人を残した。


「1問以外全部答えが同じで、
 Aさんは後半問題メモがひとつもないんだけど、これは偶然ですか?」

二人ともキョトンとしているのでちょっときつめに言ってみた。

「Aさんの解答はメモが前半にはあるのに後半問題にはない」
 ↓
「Bさんの解答は前半も後半も解答するためのメモがある」
 ↓
「Aさんは授業中とても眠そうでした」
 ↓
「1問2分計算の問題なのに10分しないで提出してきました」
 ↓
「どういうことですか?」


女子学生は「え…あ…」と笑っている。

男子学生は「偶然です。もう帰っていいですか?」と怒っている。


私はその状況を見て、やっぱりと思った。

「眠かったからって他の人の答えを見たら何にもならないでしょう」

そう説教を開始すると、男子学生は

「帰ります」と半ば強引に帰ってしまった。

その後女子学生がこんなことを。

学生「先生、彼は本当に自分でやっていましたよ」

私 「だって、普通16分かかるはずなのに、
   寝ていた彼が10分しないで提出できるはずがないでしょう」

学生「勘で○をつけたのもたくさんあるようだけど、私は見せていません」

私 「でも、あなたさっき笑っていたじゃない」

学生「急に言われてビックリしてしまって笑っただけです」


本当か、本当に本当か。絶対本当か。

3回確認したけど、彼女の答えは同じ。

うそをついている顔ではなかった。


私は状況証拠だけで疑ってカンニングをしたと決めつけてしまった。

普段寝やすいから。

普段成績はあまり良くない子だから。

それでも嘘をついている可能性だってあるけれど、

私の方だってカンニング現場を見たわけではない。

しかも、これができのいい子だったら私は疑わないだろう。

あぁ、しまった…。


翌日、彼を呼び出して聞いてみた。

私 「Bさんは本当に見せていないんだと言っていました。
   自力でやったんですか?」

学生「そうです。休み時間に○をつけました」

彼はちょっと困った顔をしてこう言った。

教師の思い込みで疑われた彼はきっと悲しい昨日を過ごしただろう。


「じゃぁ、私が悪いことをしました。ごめんなさい」

私が謝ると

「別にかまいません」

と言って教室へ戻って行った。

女子学生も呼び出し同様に謝ると、

「いえいえ、誤解が解けたなら」

と言って教室へ戻って行った。

その後の授業は何もなかったかのように進んで行ったけど、

いけないいけない、気をつけなければ。


教師はたまに今回のような失敗をする。

偉そうに一方的に決めつける失敗。

ごめんね、Aさん。
posted by スンプー at 04:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 2006.10-2010.03 日本語学校 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
立場から見てしまうこと、ありますよね。

それが誤解であると・・・

やはり、私たちは間違ってしまうものですね・・・私も、「やり直せたら・・・」と、思うこと、多々あります。

大切なのはその後、周りに、どう接していくかだと思います。

許しあって、補い合って、助け合い、喜び合う、それが人と人のあり方ですよね。

忘れちゃいけないけど、引きずっても意味が少なくなると思います。

素晴らしい体験、お聞きして私も生かして行きたいと改めて思います。

ありがとうございます。
Posted by 沖の at 2009年05月04日 22:17
沖のさま
信頼関係あって初めて、
教える・教わるってできるんだと、
何度かの失敗後に実感。
まぁ、今でも「やっちゃった!」と
気恥ずかしいんですけどね。


Posted by メイシー at 2009年05月05日 22:18
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